YouTubeでのゲーム実況や配信をする際や収益化する際には、プレイするゲームを制作したメーカーや企業が配信や収益化に対する許可を出しているかを確認しなければなりません。
YouTubeで配信する際には、メーカーや企業の配信ガイドラインや著作権に関するルールをしっかり理解しておくことが重要です。
今回の記事では、YouTubeで配信または収益化できるゲームタイトルやメーカー・企業を紹介していきます。
Youtubeにおける著作権の注意事項をまとめた記事も用意しているので、そちらも参考にしてください。
許可されていないゲーム実況は著作権侵害にあたる
権利者の許諾を得ないで複製することや、インターネット上に掲載して誰でもアクセスできる状態にすることなどは、著作権侵害にあたります。
引用元:総務省 著作権侵害に注意
全てのゲームタイトルは、作者が著作権を持つ「著作物」です。
ゲーム実況に関する許可が出ていない場合は、ゲームの画面をYouTubeなどにアップロードすると著作権侵害になってしまいます。
著作権侵害による、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金が定められています。
多くの場合は注意を受けた時点でアップロードされた動画を消すなどの対処法がとられますが、悪質な場合は罰則が適用される場合も十分に考えられるので注意しましょう。
ゲーム実況や配信をする場合には、そのゲームタイトルがYouTubeなどにアップロード可能かどうかを調べるのが大切です。
ゲーム実況をする前に配信・収益化が可能かチェックしよう
ゲーム実況をする前に、配信や配信による収益化が許可されているかチェックしましょう。
チェック項目は次の通りです。
- ゲームタイトルの公式サイトをチェック
- ゲーム制作会社の公式サイトをチェック
- ゲーム販売メーカーの公式サイトをチェック
- ゲームの起動画面をチェック
ゲーム実況に関するガイドラインは、ゲームタイトルによって掲載されている場所が異なります。
ゲームタイトルの公式サイトだけではチェックすできない場合は、制作会社は販売メーカーのガイドラインをチェックすると実況に関するガイドラインを確認できます。
例として、モンスターハンターシリーズの最新作「モンスターハンターライズ」に関するガイドラインを見ていきましょう。
モンスターハンターライズの動画投稿や配信についてのガイドラインは、制作会社である「CAPCOM」に掲載されています。
CAPCOMの動画ガイドライン(個人向け)
- 動画投稿サイトや自身のwebサイトで攻略・紹介・解説動画を投稿できる
- YouTubeやTwitchの広告収益などによって動画実況や配信による収益化を行える
- ゲーム中の音楽のみの配信や自分がプレイしていない動画を投稿できない
- 未公開情報のネタバレにつながる動画投稿はしてはいけない
- 動画を有料コンテンツとして営利目的に販売できない
これらの規約が、モンスターハンターライズにも同じように適用されるわけです。
事前に動画配信や収益化に関するガイドラインを確認してルールを守った実況や配信をしていきましょう!
収益化が許可されている国内ゲームのメーカー・企業・タイトル一覧
YouTubeなどで収益化が可能な国内ゲームのメーカーやゲームタイトルをそれぞれ見ていきましょう。
任天堂
- 任天堂のゲームは動画や静止画を動画共有サイトに投稿可能
- YouTubeなど、任天堂が配信を許可しているプラットフォームでは収益化も可能
- ゲームのサウンドトラックやムービー・イラストのみの投稿は禁止されている
- ゲームプレイ動画のプラットフォーム以外での販売が禁止されている
任天堂のゲームは基本的に動画の投稿や配信が許可されています。
任天堂が収益化を許可しているYouTubeやTwitchなどの動画共有プラットフォームでは広告掲載による収益化も可能です。
しかし、mildomなど一部の配信サイトでは任天堂のゲームプレイを配信、または収益化が禁止されている場合があります。
収益化が許可されているプラットフォームは次のとおりです。
- ニコニコ動画
- OPENREC
- Twitch
- YouTube
- ツイキャス
- ミラティブ
これらの配信パートナープログラムなどに参加することや視聴者からの投げ銭によって収益化できます。
スクウェア・エニックス
- ファイナルファンタジーシリーズ・ドラゴンクエストシリーズなど多くのゲームタイトルで動画の配信やそれによる収益化が認められている
- 楽曲や音楽データも配信可能
- ゲームのシナリオに関わるシーンを配信する場合は「ネタバレあり」の表記が必要
- ムービーシーンのみの配信は禁止されている
スクウェア・エニックスが出しているゲームタイトルの動画投稿や配信は基本的に許可されています。
任天堂のように動画配信に関するガイドラインが会社に依存している形ではなく、各ゲームタイトルによって配信ガイドラインが用意されています。
そのため、各ゲームの動画投稿や配信をする場合には事前にそのゲームタイトルに関する配信ガイドラインを確認するのが大切です。
カプコン
- 動画投稿サイトや自身のwebサイトで攻略・紹介・解説動画を投稿できる
- YouTubeやTwitchの広告収益などによって動画実況や配信による収益化を行える
- ゲーム中の音楽のみの配信や自分がプレイしていない動画を投稿できない
- 未公開情報のネタバレにつながる動画投稿はしてはいけない
- 動画を有料コンテンツとして営利目的に販売できない
「モンスターハンターシリーズ」でおなじみのカプコンも動画投稿サイトや自身のブログなどに動画を投稿できます。
しかし、未公開の情報を公開するような内容の動画を投稿・または配信できません。
YouTubeやTwitchのパートナープログラムに参加すると収益化を行えます。
コナミ
- 一部のゲームタイトルでは動画投稿・配信、それによる収益化が許可されている
- 原則コナミのゲームは個人での配信が許可されていない
- BGMやキャラクターの画像など一部の要素のみを切り出す編集は許可されていない事が多い
コナミのゲームプレイ動画の投稿・配信は原則として許可されていません。
しかし、一部のゲームタイトルでは個別に配信ガイドラインが用意されています。
「桃太郎電鉄 シリーズ」や「パワフルプロ野球 シリーズ」などが動画投稿や配信ができるタイトルの一例です。
それらのタイトルではYouTube等で収益化も可能となっているので、プレイするコナミのゲームタイトルが配信できるかどうかを事前に調べておくようにしましょう。
セガ
- 動画投稿サイトだけでなく、非営利目的のブログやホームページにもプレイ動画を投稿できる
- YouTubeやTwitchの配信パートナー機能を使用して収益化も可能
- 動画投稿者の独自な要素(実況など)が含まれない動画の投稿は禁止されている
- イベントシーンなどの投稿は「ネタバレあり」の記載が必要
「ソニック」や「ぷよぷよ」などのゲームを制作しているセガでも、基本的に動画投稿を許可しています。
シナリオに関わる重要なイベントシーンなどの配信も可能ですが、動画タイトルに「ネタバレあり」の記載が必要です。
Cygames
- 法人や個人、非営利・営利問わず対象タイトルの動画投稿や配信が許可されている
- YouTubeやTwitchの収益化プログラムを使用して収益化が可能
- イラストやムービー・音楽のみなどの観賞目的の動画投稿は禁止されている
- 対象タイトル内で指定されている区間の配信が禁止されている
「グランブルーファンタジー」や「シャドウバース」などの人気ゲームタイトルを制作しているCygamesでも動画の投稿・配信が許可されています。
ゲームタイトルによっては配信禁止区間が設定されている場合があるので、禁止区間は配信しないように気をつけましょう。
フロムソフトウェア
- 個人での動画投稿や配信が許可されている
- YouTubeやTwitchの収益化プログラムを使用すると収益化が可能
- 一部のゲームタイトルは別の著作権元に問い合わせる必要がある
- シナリオに大きく関わる区間を配信する場合は「ネタバレあり」の記載が必要
フロム・ソフトウェアは、「ダークソウルシリーズ」や、話題の「エルデンリング」といったタイトルを制作しています。
ストーリー性の高いゲームタイトルが多いため、シナリオに大きく関わる区間を配信する場合は十分に注意しましょう。
アトラス
- 各ゲームタイトルに設けられている配信ガイドラインに沿って動画投稿・配信できる
- 一部のゲームタイトルは終盤の配信が禁止されている場合がある
- BGM等の音楽データのみの配信は禁止されている
アトラスは各ゲームタイトルに配信ガイドラインが設定されています。
各ゲームタイトルには配信禁止区間が設定されている場合もあり、動画投稿や配信の際には注意が必要です。
収益化が許可されている海外ゲームのメーカー・企業・タイトル一覧
この項目では収益化が許可されている海外ゲームのメーカーやタイトルを紹介します。
国内に比べ、配信の収益化に関して寛容である点が大きな違いです。
一つ一つの企業が非常に多くのゲームタイトルを保有しているため、各ゲームタイトルに配信ガイドラインが設けられる場合は少ない傾向にあります。
それぞれ見ていきましょう。
Microsoft
- Microsoftは個人が自身の動画を作成し公開・配布することを支援している
- 非営利目的であればブログやHPなどにも投稿可能
- YouTubeやTwitchの配信パートナー機能を使用すると収益化も可能
- マインクラフトは唯一独自のガイドラインが設定されている
- ゲームのサウンドトラックの著作権は別に使用に関するガイドラインを確認する必要がある
MicrosoftはXBoxなどのゲーム機の開発や「マインクラフト」などの有名ゲームタイトルを制作しているメーカーです。
YouTubeやTwitchを通じて動画投稿・収益化が可能ですが、音楽などの外部コンテンツに関する著作権は別途調べる必要があるので注意しましょう。
Electronic Arts
- YouTube等の動画共有サイトへの投稿を全般的に許可している
- 商業化されたYouTubeチャンネルなどについても配信が可能
- マーケティング資料やテレビ番組での使用については使用許可を申請する必要がある
「Electronic arts 」は、EAとも言われ国内外問わず大人気な「Apex Legends」の制作会社です。
動画投稿や配信に関する禁止事項が少なく、自由に配信ができる点が魅力と言えます。
Epic Games
- Epicは投稿用の動画などを「ファンコンテンツ」として作成を推奨している
- YouTubeなどの広告収益によって収益化できる
- 個人的な営利目的での動画投稿は禁止されている
- Epicを批判するような動画の投稿が禁止されている
Epic gamesは「フォートナイト」でお馴染みの制作会社です。
YouTubeなどのパートナープログラムを通じて収益化はできますが、Epicを批判するような動画の投稿は禁止されているので動画の内容には十分注意しましょう。
Ubisoft
- YouTubeやTwitchなどのパートナープログラムを介して動画などのコンテンツを収益化できる
- 一部のタイトルで使用されている音楽は外部のアーティストによって作成されているため動画投稿時に著作権侵害を訴えられる場合がある
Ubisoftは「レインボーシックス シリーズ」や「アサシンクリード」などで人気の制作会社です。
音楽などのコンテンツの著作権が外部であるケースがある点に注意しましょう。
ゲームプレイ映像を録画する場合、安全を重視するならなるべくゲーム内の音楽をオフにすると良いでしょう。
Bethesda
- YouTube等の動画配信サイトやHP・ブログ等に動画を投稿できる
- 配信パートナープログラムやクラウドファンディング等の寄付による収益化が可能
- 一部のゲームタイトルでは音楽などの外部のコンテンツによって別途著作権を確認する必要がある
「Fallout シリーズ」の制作会社として知られるBethesdaですが、YouTube等のパートナープログラムだけでなくクラウドファンディングなどの寄付によっても収益を上げられます。
海外特有の収益化の範囲の広さがわかりやすい制作会社となっています。
PS4/PS5のゲーム実況はブロードキャスト機能で著作権対策になる
PS4/PS5のシェアボタンを押すと利用できる「ブロードキャスト機能」なら、著作権の侵害をせずに配信ができます。
ブロードキャスト機能は公式に認められている配信方法であり、ゲームタイトル側で配信の制限を設定できるためです。
ただしゲームによってはブロードキャスト機能による配信は認められていても、収益化が認められていないケースがあるので、必ず配信する前にゲームの公式サイトを調査しておきましょう。
ブロードキャスト機能の配信外エリアの自動検知で著作権侵害を防げる
PS4/PS5のブロードキャスト機能は、自動で配信禁止エリアを検知するシステムがあります。
ゲーム側がストーリーのネタバレを禁止している場合や、映ってしまうとユーザーに不利益がある画面を自動的に配信画面を非表示にするシステムです。
具体例として、以下の画面が配信禁止区間に指定されています。
- 個人情報が掲載される画面
- ゲーム外の設定画面やホーム画面など
- ゲーム側が配信を禁止している場合
これにより、著作権侵害を防げるわけです。
以下の記事でPS4のブロードキャストによる配信方法を紹介しているので、そちらも参考にしてください。
YouTubeで収益化が許可されているゲームのメーカー・企業一覧のまとめ
YouTubeでゲームプレイの動画投稿や配信をする場合はきちんとガイドラインを調べる必要があります。
配信禁止区間を配信してしまった場合や、音楽やムービーのみの配信をした場合は予告なく動画が削除されてしまう場合もあります。
ゲームの配信ガイドラインは、ゲームタイトルごとに設けられているのか、制作会社によって設けられているのかの違いも確認が必要な点も覚えておきましょう。
Youtubeにおける著作権の注意事項をまとめた記事も用意しているので、そちらも参考にしてください。